2015年8月14日 – ニューメリカルテクノロジーズは、バーゼル委員会から発表された市中協議文書『実効的なリスクデータ集計とリスク報告に関する諸原則(原題:Principles for effective risk data aggregation and risk reporting)』(BCBS239)の主要な要件に対応したデータベース及びソフトウェアソリューションを提供します。バーゼル委員会は、銀行が意思決定に使用する情報が、適切な正確性と適時性で、全てのリスクを捉えることを要求しています。BCBS239 の実施における2つの主要な課題は、リスクデータ集計及び正確で包括的なリスク報告です。
Numerical Data Model™ は、金融リスク管理に特化しており、統合的リスク管理用データマート向けのサービスを提供します。NtInsight® for Credit Risk, Market Risk, ALM and Operational Risk は、計算エンジンとして機能する一方で、リスク報告用のリスク情報の集計をサポートし、BCBS239 で言及されている要件に対応した機能を持っています。
NtInsight® – リスクデータ集計用機能
No | BCBS239 要件 | NtInsight® 機能 |
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1 | 銀行は、正確で信用に足るリスクデータを集計すべきである。 | Numercial Data Model™はERMデータマートの設計、開発、保守をサポートし、自動的かつ正確なリスクデータ集計をサポートします。 |
2 | 銀行は、組織横断的に全てのリスクデータを捉え、集計可能であるべきである。 | Numercial Data Model™ はリスクデータに対する高い網羅性があります。 NtInsight®は様々なリスク指標、限界リスク、コンポーネントVaRを計算します。 |
3 | 銀行は、正確性、統合性、完全性、適応性に関する原則を満たす一方で、網羅的かつ最新のリスクデータをタイムリーに集計可能であるべきである。 | Numercial Data Model™はリスクデータを迅速に集計可能とする、高い効率性を提供します。 |
4 | 銀行は、広範に及ぶアドホックなリスク管理報告要求に応えるために、網羅的なリスクデータを集計可能であるべきである。 | NtInsight®では、ユーザーによる計算設定をサポートしており、銀行内部の必要性や報告要求を満たすことが可能です。 |
Numerical Data Model™
ニューメリカルテクノロジーズは、金融リスク管理用データマートの構築をサポートしています。これまで多くの金融機関への導入実績を踏まえ、統合的なリスク管理に必要とされるデータベースシステムを開発します。Numerical Data Model™ は、金融リスク管理業務に特化しており、リスクデータに対し、高い網羅性と効率性を実現するデータ・モデルです。金融機関がリスク管理用データマートを構築する際、当社は、Numerical Data Model™ を使用して、下記のサービスを提供致します。
- データマート設計支援
- データマート開発と保守サポート
- NtInsight® との連携システムの開発と保守サポート
NtInsight® – リスク報告用機能
No | BCBS239 要件 | NtInsight® 機能 |
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1 | リスク管理報告は、集計されたリスクデータを正確かつ的確に伝え、正しいやり方でリスクを反映すべきである。報告は、検証されるべきである。 | NtInsight® は、それぞれのシナリオやシミュレーションの妥当性を確認するための分析ツールがあり、ユーザーは取引または債務者レベルまでドリルダウンして、結果をトレースすることが可能です。 |
2 | 報告は、組織内の全てのリスクエリアを網羅すべきである。 | NtInsight®は、異なるグループごとのリスク配分に加え、ポートフォリオ全体のリスクプロファイルを分析可能です。 |
3 | 報告は、明白かつ一貫した手法で、情報を伝えるべきで、容易に理解可能な一方で、意思決定の促進に足りうる包括性があるべきである。 報告には、受領者の必要性に合わせた意味のある情報が含まれるべきである。 |
NtInsight®は、計算結果を容易に理解するための多様な分析ツールがあります。透明性と明確性を高めるために、シミュレーションシナリオの詳細が確認可能です。 |
4 | 経営陣や上位マネジメント層は、リスクマネジメントレポートの作成、配布の頻度を設定すべきである。ストレス時や金融危機時には、報告の頻度は増えるべきである。 | NtInsight®は、テキストファイル形式で出力可能で、ユーザーはそれらのファイルを、グラフィカルなリスクレポートを容易かつ迅速に作成可能なBIツールのインプットとして使用可能です。 |
5 | 機密性が保持される限りにおいて、報告は、関係者に配布されるべきである。 | NtInsight®と連携したBIツールを使用することで、配布レポートに載せるべき情報を選択可能です。 |
市中協議文書概要 – BCBS239 実効的なリスクデータ集計とリスク報告に関する諸原則
G-SIBs は、2016年の初めに、市中協議文書で挙げられた要件を満たすことを求められています。これらの原則は、各国の金融当局から D-SIBs(国内のシステム上重要な銀行)と指定された銀行にも、指定から3年後に適用されます。銀行のリスクデータ集計及びレポート報告を強化する目的で、原則は4つの密接に関連したトピックをカバーしています。4つのトピックとは、包括的なガバナンスとインフラ、リスクデータ集計能力、リスク報告実務、当局のレビュー・ツール・協力です。下記の表の通り、原則はそれぞれのトピックに分類されます。