1999年12月6日 – 東京 – 於 帝国ホテル
1999年10月13日 – 東京 – 農林中央金庫様向けCreditBrowser® に関する記事が、日経金融新聞に掲載されました。
1999年8月11日 – 東京 – 三菱信託銀行株式会社様に、信用リスク管理システム CreditBrowser® をご採用頂きました。同時に、株式会社エムティービー インベストメント テクノロジー研究所(MTEC)様との共同によるリスク管理研究にも合意いたしました。新しい信用リスクモデルの開発に着手しました。
1999年6月28日 – 東京 – 「新BIS規制対応と内部モデル(下)」 ポートフォリオベース信用モデルの効用と限界 週刊金融財政事情 1999年6月28日号 要旨 IS市中協議案の一つのポイントは信用リスク計量化の内部モデルである。一般的論調では、「米銀は理論的に進んでいる、邦銀も早く追いつかないと」で片づけられかねない話題だが、その議論の実態がリスク管理機能の向上をめざすというよりも、むしろ思惑渦巻く産業規格論争に近いことは、意外にも知られていない。 現在唯一有効なクレジットメトリクス 最初に頭に入れていただきたいのは、BIS規制を念頭に「ポートフォリオベースの信用リスクモデル」を指す場合、知っておく必要のあるモデルはたった三つしかない(図表2)。しかも、本当に利用可能という意味ではただ一つ、リスク・メトリクス・グループ社(RMG社、JPモルガン社から分離独立したモデル専門会社)のクレジットメトリックスを覚えておけばよい。よく混乱するのは、デフォルト率推定モデル、クレジットデリバティブの評価モデル、ポテンシャルエクスポージャーの計算モデル、社債評価モデルなども、広く「信用リスク計量化モデル」と呼称されているためである。これらはBIS規制でいう内部モデルとは全く別物である。 もちろん、邦銀のモデルを含めてこれら以外にもモデルが多数存在する(注)。しかも、それらのうちのいくつかは図表2の各モデルよりも優れている。しかしながら、後述するように、内部モデル論争は一種の規格論争となっており、内容が優れているか否かは二の次になっている。真価がどうあろうと、国際舞台で無名なモデルは無視されているのが実情だ。 (注)我が国でマスコミ向けに発表があったモデルを列挙すれば以下の通り。 ①1997年発表の日本興業銀行のモデル。 これはクレジットリスク・プラスと同じく保険数学のアプローチを採用しており、地銀協でも採用された。 ②1998年春発表の住友銀行のモデル(=クレジットメトリックスの拡張型にあたる当社製品 CreditBrowser® の最初期バージョンのこと)。 多期間拡張、連鎖倒産の組込み、株式対応などが特徴。 ③同時期発表のさくら銀行のモデル。 これはクレジットメトリックスの変種にあたる。 ④1999年春発表(マスコミ向けは6月)のあさひ銀行のモデル。 これは個別与信から全体与信に至る結合確率計算においてフーリエ変換を用いる点が目新しい。 邦銀大手行においては、早いところで1980年代末頃から研究が開始されており、遅れた銀行も1990年代中期のVaRブームの最中には手をつけている。このため、未公表あるいはマスコミ向け未発表の成果を含めると1990年代初頭にはかなりの進捗が見られている。しかしながら、システム化および経営面への活用については、海外他行(JPモルガンなども含む)と同じで、まだまだ発展途上の段階にあるとみられる。 歴史的経緯からみれば、これら3つのモデルはどれ一つとして先駆性やオリジナリティのあるものではない。たとえば、クレジットメトリックスの直接の先輩格はKMV社のPortfolio Manager(1993年)である。KMVモデルは基本的に株式上場会社の計量化モデルであり、未上場会社向け債権を含む銀行ポートフォリオ管理に応用するには無理があった。このため邦銀発を含めて多数の改良案を生んだ。そのなかで最も有名なのがクレジットメトリックス(1997年4月)というわけだ。付言すれば、KMVモデルもクレジットメトリックスも、さらに歴史を溯れば株式を企業資産に対するコールオプションとして評価するマートン・モデル(1974年)が原点にある。 二番目のクレジットリスク・プラスは、クレジットメトリックスの名が売れた後に良いタイミングで発表された(1997年10月)。クレジットメトリックスに対する批判の一つとして大規模な計算を必要とする点が指摘されていたが、これを保険数学のテクニックを使って簡易なモデルに仕立て上げた点が受けたわけである。三番目のクレジット・ポートフォリオ・ビューは、同じタイミング(1997年秋)に計量経済モデルでも信用リスクの計算を行うように提案したものである。 それにもかかわらず、クレジットメトリックスが唯一有効であるとした理由は、他のモデルには明白な問題があるからである。クレジットリスク・プラスが仮定した保険数学は、カードローンや住宅ローンのように、①債権本数が膨大で、②しかも少数の債権に対する与信集中が起きていない、という条件下でしか有効に機能しない。邦銀ポートフォリオで問題になっているようなゼネコン向け巨額与信の焦げ付きなどがあれば、リスク量の過小評価になることを簡単に証明できてしまう(詳細については当社ホームページ http://www.numtech.co.jp/ 内のドキュメント「CreditBrowser® Version 2 規制対応を越えて」参照)。 それでもなお現在、下火傾向にあるとはいえクレジットリスク・プラスがまだ比較対象にされているのは、内部モデルを実際に使ったことのある経験者がまだまだ少ないためと思われる。クレジット・ポートフォリオ・ビューの計量経済学的アプローチは、誰でも最初に考えるもので、企業信用力の代理変数(proxy value)を何に求めるかという問題に帰着する。クレジットメトリックスのデザイナーも当然ながら気づかなかったはずはない。にも関わらず採用しなかった理由は計量経済学的アプローチに対する欠点(要するに当たらないということ)もまた広く知られた事実であったためであろう。逆に、計量経済学的要素をクレジットメトリックス型モデルのなかに取り込むことは容易なので、今後はそうしたハイブリッド型モデルも登場するだろう。 こうした事情から、最近の内部モデルに関する議論は、クレジットメトリックスのアプローチに強く染め上げられている。 (図表2)代表的な内部モデル手法 名称 CreditMetrics (J.P.Morgan / RMG) CreditRisk+ (CSFP) CreditPortfolioView (McKinsey) 計量化アプローチ Mertonモデル (企業価値が一定比率以上下がった場合をデフォルトとする) 保険数学(大胆な統計学的仮定を使い、解析的に計算する) 計量経済モデル(マクロ指標を使い推計式でデフォルト率を求める) 格付け変化に伴う債権評価額の変動を考慮するか Yes (BIS定義の時価価値=MTM方式) No (BIS定義のデフォルトモード=DM方式) Yes […]
1999年6月21日 – 東京 – 「新BIS規制対応と内部モデル(上)」 一握りの国際基準行とその他の貯蓄銀行型への分化が進む 金融財政事情 1999年6月21日号 要旨 おもに信用リスク関連を中心とする今回のBIS規制見直しの経営インパクトは、前回の市場リスク規制の比ではない。小手先の対応ではすまされず、わが国においては金融再編の原動力ともなりえよう。本稿では二回に分けて、新規制の影響を分析し、対応策を考えるとともに、課題である内部モデル対応について詳しく解説する。 市場リスク規制の比ではない影響 今回見直し案の要点(図表1)を一言でいえば、貸出先の信用格付に応じて所要自己資本額に差をつけるということである。その意味で今回の規制は「第3次BIS規制」あるいは「BIS信用リスク規制」と通称されることになろう。 (図表1)BIS規制改定原案(市中協議ペーパー) 現行方式 市中協議案 リスクウェイト体系 一律掛け目方式 OECD加盟ソブリン0% その他ソブリン 100% OECD加盟銀行 20% その他銀行 100% 事業法人 100% 信用格付け別掛け目方式 外部の信用評価機関の格付けを利用する 0~150%のリスクウェイトを設定(B-未満の格付けでは150%) 内部格付けの使用 先進的な銀行に対し認める 担保保全によるリスク削減 不動産担保は保全として認めない 他の適格担保、ネッティング範囲拡大について継続的に検討 ポートフォリオベースの信用リスクモデル 継続的に検討 バンキング勘定の金利リスク 継続的に検討 オペレーショナルリスク 継続的に検討 当局による早期介入 早期介入を奨励 規制の適用範囲 国際的に活動する銀行(国際基準行)が対象 子会社を含めた連結ベース 持ち株会社は対象外 持ち株会社にも新たに規制適用 グループ内の各段階の国際基準行それぞれに対し完全連結ベースで適用 今回の見直しが経営に与えるインパクトは、前回見直し(1996年の市場リスク規制)の比ではない。前回の見直しが自己資本比率に与えた影響は、多くの邦銀にとってコンマ以下のパーセンテージであったのに対して、今回のそれは所要自己資本がパーセント単位で動きかねない。 見直しが提起された背景には、BIS規制が時代背景に合わなくなってきたとの反省がある。現行規制ではリスクアセット額を計算する際に、ソブリン、銀行あるいは一般企業向けなどの相手先区分に応じて、貸出先の信用格付にかかわりなく一律の掛目が適用されている。そこで、「OECD加盟国の銀行というだけで、北海道拓殖銀行向け債権に対する所用自己資本がゼネラル・エレクトリック向けの5分の1というのはおかしい」との批判が生まれた。また、オフバランス取引の拡大によって世界の金融市場は大きく変わった。欧米においては持株会社を使った規制の抜け穴をふさぐべきであるとの主張も耳を傾けるに値しよう。BIS規制は元来、1974年のヘルシュタット銀行破綻の反省に立ってつくられた国際間のシステミックリスクの防止策である。国際基準行はそのルールに服さざるをえない。 規制も経済的混乱の一因か ところが、今回のBIS規制見直しを巡っては不協和音が目立つ。公開協議ペーパーにしても、ドイツ当局の反論で公表が遅れた。わが国でもアメリカの独善を指摘する根強い批判がある。他方、米国内では規制見直しのペースが遅すぎるとの意見も多い。 批判が生まれている第一の理由は、アジア各国や日本で最近起こった経済的混乱に対して自己資本比率規制が悪影響を与えたのではないかと疑う者が増えているためである。「リスクに備えて自己資本を積もう」という話はまことにわかりやすい。しかし経済学の世界には「合成の誤謬」という言葉もある。個々の金融機関が個別の備えとして自己資本を充実させても、世界の金融システムが必ず安定するとは限らない。ここ数年来、日本国内の早期是正措置施行の結果何が起こったか。国内、国外を問わずなりふり構わぬ貸金引揚げが生じたのである。経営効率の悪い金融機関の淘汰というメリットをなんら否定するものではない。しかしその一方で、大規模な信用収縮・デフレ効果、いわゆる貸し渋り現象を惹起した疑いを拭いきれない。もしもこれが事実ならば、自己資本比率規制の信用乗数効果、マネーサプライへのマイナス影響をわれわれは忘れてきたことになる。 景気変動に応じて金融政策を変更するのと同じように、金融機関への自己資本要求もその時々の経済情勢をみながら設定すべきものではないのか。もしもいま、アメリカが深刻なデフレ経済下にあったならば、あるいは将来、大不況が襲ったときもなお、この新しいBIS規制を世界は維持し続けられるだろうか。 独り勝ちアメリカへの反発 […]
1999年4月22日 – 東京 – Version 2.1 は、現行のBIS信用リスク規制案の内容に最も近い米JPモルガンのCreditMetricsの機能をカバーした上、BIS定義のデフォルトモード方式(会計価値ベース)とMTM方式(現在価値ベース)の双方、多期間モンテカルロ、OLAP技術によるデータ・ドリルダウン機能、米国以外の与信把握を可能にするクレジットスプレッドモデル、高速化(都銀クラスの法人企業ポートフォリオ、すなわち5万社、15万件、OLAPによる勘定区分総数10万件以上、これに乗ずること1万回のモンテカルロ・シミュレーションを約2時間で処理)、などが特徴です。
1998年10月1日 – 東京 – 当社は信用リスク管理システム CreditBrowser®のVersion 1.5をリリースしました。Version 1.5 の目玉はクレジットスプレッドモデルの内蔵です。JPモルガン方式のように米国市場以外では事実上入手不可能な社債スプレッドに頼る必要はなくなり、国内与信への対応が強化されました。対顧客貸出スプレッド算出への応用も期待されます。CreditBrowser® Version 1.5は、株式会社住友銀行様にご採用頂いております。