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2002年3月期の決算概況

概況 前会計年度(2001年4月~2002年3月)は、売上高前期比24.8%増と大変良好な期でした。 1998年7月の創業以来これまで増収増益を4期連続して記録したことになります。 申し分のない決算内容であったのですが、内容をつぶさに分析しますと手放しでは喜ぶことができません。 詳細は後述致しますが、(1)受注・回収の期ずれ、(2)為替変動の追い風、(3)競合他社の自滅傾向、など自社努力以外の要因が働いた結果であるとも解釈できるからです。 この年度を通じては、当社が属する金融ミドルオフィス系システム(=金融リスク管理システム)の開発関連業種の業況は概して悪化傾向にあり、当社のような好決算は例外的です。 また会計数字はともかく実感ベースでは、前年度よりも厳しい業況と感じられました。 その影響は、システムプロジェクトの平均的な資金回収期間が約1年であるために、今2003年3月期に反動として財務面に表れてきます。 こうした理由から2003年3月期については売上高3億円台前半まで落ち込むとの減収減益決算を予想しております。 もちろんこの予想は会計年度開始早々の着地予測であり、また出自の関係でどちらかといえばいつも保守的な予想をしがちな当社経営陣の見方ですから、予測の確実性が高いとは申し上げられません(注1)。 さらに、2002年に入ってからは受注回復の兆しもみられます。 したがって年度後半からの回復、すなわちやはり資金回収期間1年のタイムラグを置いて2004/3月期あたりのリバウンドも十分考えられます。 しかしながら当面は不安材料の方を重視し、人件費を除いて、投資抑制基調を継続したいと思います。 そのほか、資本面については好業績がストレートに反映したおかげで純資産は順調に増加、仕入れがないという当社の特徴もあって2002年3月末の株主資本比率(自己資本比率)は90.1%に達しています。 設立当初からの無借金経営にも変更はありません。 高額納税法人である点を除けば社外流出は極力抑える方針であり、無配当を継続しております。 当期売上高 582,995,332円 昨年度の売上高は、主力の信用リスク管理システム製品 CreditBrowser と、CreditBrowser の上位に位置し市場リスク管理を統合するシステム製品PortfolioBrowser、格付けスコアリングシステム製品 ScoringBrowser が主たる貢献要因となっています。 すなわち、当社開発の金融リスク管理システム製品の販売収入が当社売上の大半を構成しております。 当社は大手の金融機関から直接受注して製品開発を行うパッケージソフトウェア業であり、販売商品は自社開発ソフトウェア製品です。 外部のシステムインテグレーターを介した契約はなく、仕事の外注も行っておりません。 従って仕入れも在庫も基本的に存在しません。 販管費の大半は人件費が占めております。 資産の状況 金融資産については安全性と流動性を重視し、普通預金、郵便貯金、政府債に分散して保有しております。 MMFを含め利回り保証のない短期金融資産、定期預金、運用目的の長期資産、節税目的の保険資産は一切保有しておりません。 固定資産は大半がコンピュータのハードウェアです。 すなわち、当社資産は短期かつ流動性のきわめて高い資金ポジションになっております。 2002年3月期における特記事項として、金融機関取引の整理を行い、流動資産の一部については政府保証の郵貯振替決済口座に移動いたしました。 またペイオフ解禁ならびにインフレ懸念に対する備えとして保有資産の半分弱を米短期割引国債(T-Bill 3M)にシフトしました。 このため、期末の円/ドル為替水準の関係で為替差益がかなり出ており、収益が押し上げられました。 今期についても、金融情勢、国際情勢を睨みつつ安全性重視で運用する方針です(注2)。 保有資産に占める外貨比率は高水準のままで維持する方針ですから、新年度も日本円建て決算に対する為替レートの大きな影響が予想されます。 資本の状況 資本金 50,000,000円 + 準備金 228,942,750円 (2002年3月決算後) 資本勘定の228,942,750円は法令に定めるプログラム等準備金です。 租税特別措置法第20条の2第1項及び第57条第1項の表の第1号の中欄のロに規定する汎用プログラム(制御プログラム以外のもの)として、情報処理振興事業協会にソフトウェア登録。 登録番号 25295。 登録年月日平成11年2月28日。 当社の取締役3名が当社株式を100%保有しており、外部との資本関係は一切ありません。 設備投資の状況 昨今の金融機関の合併に伴い計算対象となるデータ量が増加、各金融機関への支援能力維持のためには、自社保有システムの強化が急務です。 […]

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2001年3月期の決算概況

概況 今会計年度(2000年4月~2001年3月)も前期比売上高28%増と好調に推移、個別案件に特段の引掛かりもなく、高水準の利益を確保できました。 社歴の浅い当社ではありますが、財務計数的には先々期中に純資産および利益水準において店頭市場公開基準まで到達しております。 1998年7月創業以来これまで無借金、無配当、株主資本比率(自己資本比率)を100%近くに維持しつつ増収増益を続けた結果、財務体質を一段と強固にすることが出来ました。 当期売上高 467,137,967円 昨年度の売上高は、主力の信用リスク管理システム製品 CreditBrowser と、CreditBrowser の上位に位置し市場リスク管理を統合するシステム製品PortfolioBrowser (対外未発表) の2製品でほぼ二分する形でした。 また、他に格付けスコアリングシステム製品 ScoringBrowserを含め、自社開発の金融リスク管理システム製品の販売収入が当社売上の大半を構成しております。 資産の状況 金融資産については安全性と流動性を重視し、普通預金および大口定期を対象とし、複数の金融機関に分散して運用しております。 MMFを含め利回り保証のない短期金融資産、ならびに運用目的の長期資産は保有しておりません。 当社の顧客は大手の金融機関であり、販売商品は自社開発の大規模なシミュレーションソフトウェアです。 従って仕入れも在庫も基本的に存在しません。 固定資産の大半はコンピュータのハードウェアでとなっております。 今般の法人税法改正に基づき、今期からソフトウェア開発原価の計上を行っております。 なお、2002年3月実施予定のペイオフ解禁ならびに金融不安に対する備えとして、今年度中に金融資産の一部を日本の短期割引国債および米国財務省証券に振り替える予定です。 資本の状況 資本金 50,000,000円 + 準備金 140,479,000円 (注)資本勘定の140,479,000円は法令に定めるプログラム等準備金。 租税特別措置法第20条の2第1項及び第57条第1項の表の第1号の中欄のロに規定する汎用プログラム(制御プログラム以外のもの)として、情報処理振興事業協会にソフトウェア登録。 登録番号 25295。 登録年月日平成11年2月28日。 当社取締役3名が当社株式を100%保有、外部との資本関係は一切ありません。 設備投資の状況 昨今の金融機関の合併に伴い計算対象となるデータ量が増加、各金融機関への支援能力維持のためには、自社保有システムの強化が急務です。 また、設備陳腐化は研究開発の妨げです。 耐用年数の残るコンピュータシステムであっても1~2年経過した程度で積極的に除却を行い、新規に買い換えております。 2001年3月現在、ギガビットLANで結ばれた数百ギガバイトから1テラバイトの容量を持つ2~4並列CPUのUNIXおよびWindowsサーバー機を7台保有、開発および顧客のバックアップに備えております。 業務環境 当社は、自社内に研究開発リソースを持つ独立系システムベンダーというユニークな立場にあり、信用リスク管理を中心とする金融リスク管理システムの分野において日本国内で事業活動を行っております。 以下、簡単に当社を取り巻く業務環境についてご説明申し上げます。 需要動向 金融リスク管理システムの分野では、1980年代から1990年代半ばまで、ALM (Asset Liability Management)、BPV (Basis Point Value、sensitivity analysis)、Potential Exposure、RAROC/RAPM (Risk Adjusted Return […]

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2000年3月期の決算概況

概況 今会計年度(1999年4月~2000年3月)は、前期比売上高3割増と前期に続いて業績好調に推移しました。 また、経費支出を抑える一方、個別案件に特段の引掛かり等もなく、高水準の利益率を確保することができました。 創業以来の黒字・無借金経営であり増収増益です。 この結果、数字的には純資産、利益水準ともに店頭市場公開基準まで到達したことになります。 当期売上高 366,407,955円 資産の状況 安全性と流動性を重視し、大口定期を中心に複数金融機関に分散して運用しております。 資本の状況 資本金 50,000,000円 + 準備金 119,089,000円 (注)資本勘定の119,089,000円は法令に定めるプログラム等準備金。 租税特別措置法第20条の2第1項及び第57条第1項の表の第1号の中欄のロに規定する汎用プログラム(制御プログラム以外のもの)として、情報処理振興事業協会にソフトウェア登録。 登録番号 25295。 登録年月日平成11年2月28日。 当社役員が株式を100%保有しており、外部との資本関係はありません。 設備投資の状況 当社の顧客である金融機関への支援能力維持と、業界内における市場競争力の維持を念頭に置けば、自社ノウハウ蓄積の重要性については言うまでもありません。 特に金融機関から見た場合、当社はR&D部門のアウトソーシングとも受け取れるはずです。 このため当社では、大学、学会関係者との密接な連携のほか、並列UNIXサーバーなどのハードウェア関連の設備投資を積極的に実施しております。 今期の事業方針 当社は、自社内に研究開発リソースを持つ日本国内で唯一の独立系システムベンダーというユニークな立場にあります。 現在、信用リスクを中心とする金融リスク管理システムの分野において最大シェアの位置にあります。 現在の顧客は、都市銀行2、系統金融機関1、信託銀行1、となっており、上位金融機関を顧客として確固たる地位を築きつつあります。 当社の主力業務である金融リスク管理システムの分野は、1980年代後半から1990年代半ばにかけて、ALM (Asset Liability Management)、VaR (Value at Risk)、の2つの分野で急拡大しました。 国内の市場動向を歴史的に追ってみますと、初期の段階では国内大手ベンダーへの委託開発が中心であり、1件あたり数十億円を越す大型プロジェクト案件の形で受注が進みました。 しかしながら、(a)市場系・国際系金融分野での業務ノウハウ不足、(b)当時ホストからの移行期にあったオープン系システムでの未熟な技術スキル、(c)納品後サポートやバージョンアップ対応の拙さ、などが足枷となって徐々に国内大手ベンダーでは大手金融機関のニーズを満たせなくなりました。 こうしてその後、1990年代前半になると外資系システムベンダーの活躍が目立ち、国内大手ベンダーはその代理販売に徹する市場となりました。 ところがこれもまた、(a)米国流の輸入品で国内金融機関のニーズに合わない、(b)宣伝と実態との大きな落差が生んだ信頼喪失、(c)単年度売上主義で参入撤退を繰り返し安定しないサポート、などが顧客から嫌気されて最近では退潮が目立ちます。 実際、ここ2、3年の新規参入も後発VaRベンダーの加アルゴリズミックス社、米JPモルガンから独立したRMG日本法人程度にとどまっております。 むしろ最近の動きを見ますと、事情に疎いシステム関係や金融関係の会社あるいはコスト度外視の大手がこの分野に参入しては、当然ながらうまくいかず、最後に思い切った低価格路線を試した後、不採算に耐えられずに撤退していくパターンが目立ちます。 古くから本邦金融機関の実情に精通しているベンダーはかえって参入を避けており、より利益率の高いネットワーク関連など他のIT分野に経営資源をシフトしているようです。 同じITと言っても、このリスク管理システムの分野では金融機関サイドの投資予算は絞られたままであり、市場の潜在成長力は大きくありません。 しかも、他の金融システム分野に比べて極めて高い専門性、米国流の模倣や輸入では通用しないビジネススタイル、実務経験者にしかわからない非公開情報が壁であり、非常に難しい分野です。 また、金融機関内部での独自開発組を除けば、上位金融機関では当社、地銀以下ではNTTデータがシェアを握っており、参入障壁も高いと言えそうです。 我々自身が技術レベルを年々向上していることもあって、対抗するには持続的な研究開発が要求され必要コストも上昇、長期的な顧客サポートを維持できる利益の計上は容易ではありません。 すなわち、既存国内ベンダーはもちろんのこと海外の有力ベンダーや大手コンサルティングファームでさえこの市場では大きく劣後するのが実態です。 言わば典型的なニッチ市場が形成されており、当社にとっての潜在的競合先も年々減少しています。 こうして分析して参りますと、当社にとって外部からの潜在的脅威は、既存同業他社やコンサル各社あるいは大手システムベンダーではなく、有力金融機関内で育ち内情に通じた専門スタッフが独立起業するケースのように思えてなりません。 そこで可能性ある人材の状況を考えますと、多くは外資系投資銀行やコンサルティング各社に流出するなど職種転換し、邦銀に残った人材も高齢化し相応の地位役職に就き組織に定着して人材の不胎化が進行しています。 つまり、数量的には限られるわけですが、業務のインサイダーだけにそのプロフェッショナルな実力は既存のメーカーや大学あるいは研究機関所属スタッフなどとは比べようもなく侮れません。 もし今後そのような方が独立されるケースがあれば、積極的にアライアンスを組むなどの方策を考えるべきでしょう。 他方、短期的な経営上のリスク要因は外部要因ではなく、市場の潜在成長力を無視した放漫経営・過大投資を行うなど当社の内部にありうるとみられます。 以上の現状を踏まえて今期の業務方針を以下のように策定し、今後とも顧客の期待に応えていく方針です。 […]

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1999年3月期の決算概況

決算期変更について 当社の初年度にあたり、本決算期日を3月末日とし、1998年7月1日から1999年3月31日までの9カ月決算と致します。 業務環境 現在、金融リスク管理に関するシステム市場全体を見渡しますと、主要な分野として、(1)ALM (Asset Liability Management、アセットライアビリティマネジメント)、(2)市場VaR(Value at Risk、バリューアットリスク)、(3)審査およびスコアリング、(4)信用VaR、(5)ポートフォリオ/ポジション管理、をあげることができます。 (1)のALMシステムについては古くからホスト系システム主体に構築されており、持続的な更新需要が存在します。 (2)の市場VaRシステムは、国際決済銀行による市場リスク規制(いわゆる第2次BIS規制)を契機とし、1994年頃から普及期を迎えたものです。 現在では大手金融機関はほぼ導入を終えており、需要も一服感があります。 (3)の審査およびスコアリングの分野は、歴史としてはかなり古いものです。 比較的最近に新たな技術開発の試みが行われておりますが、大きなうねりにはなっておりません。 (4)の信用VaRシステムは、市場VaR技術の拡大発展型にあたり、時代の要請を受けて根強い需要があります。 しかしながら、広範囲の業務知識を要する上に、市場VaRに比べて遥かに複雑かつ高度な数値シミュレーション技術を必要とするため難易度が高く、現在ようやく普及期を迎えつつある段階に過ぎません。 (5)のポートフォリオ/ポジション管理システムは、ディーリングシステムとの組み合わせ需要が堅調にあります。 このように金融リスク管理に関するシステム需要は、昨今の社会情勢、当局規制の動向、金融業界内の状況を映しながら分野別には明暗あるものの、総じて見れば堅調に推移しております。 当社は信用リスク管理システムを主力とする研究開発型企業であり、自社内に研究開発リソースを持つ日本国内で唯一の独立系システムベンダーというユニークな立場にあります。 このため、システム販売およびコンサルティングへの需要を背景として、当社は設立初年度を順調に終えることが出来ました。 当期売上高 270,057,302円 借入金の状況 長期借入金、短期借入金ともにありません。 資本の状況 資本金 30,000,000円+プログラム等準備金(注) 51,170,000円 (注)租税特別措置法第20条の2第1項及び第57条第1項の表の第1号の中欄のロに規定する汎用プログラム(制御プログラム以外のもの)として、情報処理振興事業協会にソフトウェア登録。 登録番号25295。 登録年月日 平成11年2月28日。 設備投資の状況 当社の顧客である金融機関への支援能力維持と、業界内における市場競争力の維持を念頭に置けば、自社ノウハウ蓄積の重要性については言うまでもありません。 特に金融機関から見た場合、当社はR&D部門のアウトソーシングとも受け取れるはずです。 このため当社では、大学、学会関係者との密接な連携のほか、システム関連の設備投資を積極的に実施しております。 例えば当社の研究開発用設備は計算サーバーだけで各社の中上位機種ワークステーションを中心に総計10プロセッサの並列処理環境を備えており、主記憶は10GBytes、二次記憶容量は約400GBytesに達する大規模なものです。 使用OSはDigital UNIX, Sun Solaris, Windows NT、使用データベースはOracle8 Enterprise Edition、Sybaseによる強力な計算環境を構築しております。 今期の事業方針 前期中に当社は、当社開発の信用リスク管理製品 CreditBrowserTM を Version 1.5 から 2.0 にバージョンアップ致しました。 先頃、同製品は情報処理振興事業協会の汎用プログラム認定を受け、名実ともに当社の汎用パッケージ製品としての形態を整えました。 […]

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