2005年9月28日 – 東京 – CreditBrowser® 信用リスク管理システムの 64 ビット CPU Intel Itanium2 (IA64) 対応版に関する正式サポートを開始致しました。本システム Version 3.4.x は次の新しい機能を備えています。
1,000万取引件別への対応
従来より当社製品の特徴のひとつは高速性であり大規模金融機関の実運用に耐えうる高可用性でした。信用VaR自体は珍しくもない今日では類似する機能は他社システムにもみられますが、いずれも精度を犠牲にして性能を確保する、業務面の妥協を要求する、あるいは非常に低速なローエンドユーザ向け製品です。
そうした中で10万回級のフルモンテカルロシミュレーションを100万取引件別規模で実現した CreditBrowser® はハイエンドユーザの要求に耐えるほぼ唯一の製品であったわけです。しかし一方で金融機関の再編が進み、計測対象ポートフォリオの巨大化が問題になりつつありました。具体的には500~1,000万取引件別への対応(=大手金融機関の法人向け与信+個人向け住宅ローンの全数入力)を求める顧客が存在していながら、既存の 32 ビット CPU 環境の場合には100万取引件別規模が計算能力の上限でした。この Version 3.4.x は当社からのひとつの回答です。日本ヒューレット・パッカード株式会社の Itanium2 機 HP Integrity サーバ Superdome (32 CPU / 32GB Memory) を使って測定した結果によれば, 1,000万取引件別の時価評価 x 1万回 (倍精度) のモンテカルロ計算を Version 3.4.x は12時間弱で実行します。
新しいバーゼル自己資本比率規制への対応
従来の信用VaR、EL計算機能に加えて、Basel II 関連の信用リスク指標を計算します(本機能は標準製品には含まれないオプションです)。信用VaRとともに基礎的内部格付手法(FIRB)および先進的内部格付手法(AIRB)に基づく信用リスク指標を同時に計算表示することが可能になりました。CreditBrowser® が備える扱いやすいユーザインターフェイスは変わっておりません。したがって、金融機関全体レベルから、部門レベル、個別のファンド、さらには取引件別の詳細に至るまで信用補完されていく状況を、ツリーメニューをドリルダウンしながら詳細にわたって分析できます。また、すべての取引件別についてBasel II 関連指標をファイル出力することもできます。この機能を使用する場合、CreditBrowser® システムは追加的な入力(BIS の保全件別情報など)を要求します。Basel II関連指標を必要としない場合には、この機能を必要に応じて無効にすることができます。