動的シミュレーション技術の将来
2005年5月 – 東京 – 当社のALMシステム Numerical Technologies Altitude® は、金融機関の全資産負債の入力を前提とした動的ポートフォリオ・シミュレーション・モデルです。 この立場から見れば、マチュリティ・マッチング型、デュレーション・ギャップ型、アセットマネジメント型、サープラス型などのALM手法の分類は、モデルに入力された資産負債…
2005年5月 – 東京 – 大学における金融工学に対する人気が急低下しています。金融機関の中でもクォンツは今ひとつ元気がありません。本項はそれにもかかわらず、金融工学の研究面の先行きが暗いわけでは決してないという話題です。 長年、市場取引や金融リスク管理に携わっていて感じるのは、実業界と学界との間にある著しいギャップです。例えば、 実業としてのデリバティブブームも去った1…
2005年5月 – 東京 – 今日の金融リスク管理はきわめてニッチな分野です。もちろん新聞や雑誌、金融論や経済学の先生に問えばリスクマネジメントは広く普遍的な分野だと答えることでしょう。しかし、メガバンクに匹敵するような金融資産の規模、複雑な取引形態を有する組織が世界にいくつあるかといえば、これは少ない上にますます集約化される傾向にあるのです。例外はヘッジファンドですが、フ…
2005年3月 – 東京 – オペレーショナルリスクに関する強い理論モデル指向は国内も海外も、すっかり冷めてしまいました。もちろん、規制当局から、「オペレーショナルリスク管理を推進する議論をフレームアップしたい」、という強い意図が伝わってきますし、そうした事情に理解もするので、オペレーショナルリスクの計量化自体におつきあいはするわけです。我々もオペレーショナルリスクをEVT…
2004年5月 – 東京 – 平均的なITエンジニアは世間的な意味での「プロ」ではないという話題です。身に覚えがあると思いますが、難しいシステムプロジェクトはやはりうまくいかないし、大手か中小かを問わずシステムインテグレーターが高度なシステムを納品することはなく、「他社製アプリXと他社製データベースYを簡易言語を使って組み合わせます」となってしまう。 情報化投資に支えられて…
2004年5月 – 東京 – 1998年9月に起きた米ヘッジファンド大手LTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)の破綻は、リスク管理システムに対する教訓として市場参加者の間で語り継がれています。 LTCMは、ソロモンブラザーズのスター・トレーダーが中心となり、ノーベル賞学者2人を擁し、各国の中央銀行や著名金融機関を顧客とする、当時は”dream te…
2001年5月31日 – 東京 – システム開発は、予算が大きいほど、スケジュールが長いほど、投入される人員が多いほど難航します。システムの技術的難易度とは関係なく、金融機関において一定規模以上の開発プロジェクトが当初計画通りに終わる確率は50%に到底達しません。終わりのないプロジェクト、通称「死の行進」(death march project)も稀ではありません。各種の統…
2001年5月31日 – 東京 – 現在、日本国外のパッケージソフトウェアベンダーにはひと頃の勢いはありません。日本国内のシステムインテグレーターが海外製品に対し販売協力する(業界用語で「担ぐ」と言います)ことも稀になり、海外ベンダーの日本現地法人の経営基盤は全般に不安定、経営者も頻繁に変わります。その表面的な理由は、日本国内の需要が低迷するとともに、海外ベンダーの製品競争…
2001年5月31日 – 東京 – 金融機関のシステム開発に限らず、最近のシステムプロジェクト案件が難しくなっている背景には、エンジニア全般の人材の質の問題と、システムインテグレーターの会社としてのモラルの問題があります。雑誌の関連記事では、日経コンピュータ 2001年2月12日号 「IT業界のモラルハザード」をご覧になれば状況の一端を知ることができるでしょう。 メインフレ…