2000年3月1日 – 東京 – 大規模信用リスク管理システム CreditBrowser® をバージョンアップしました。このリリースの概略をご説明します。
新しい計量モデル「二重指数分布連続型PDFモデル」を追加しました。同一システム上で、初歩的な CreditMetrics タイプから、本格的な信用リスクモデルまで、複数の手法を比較考証することが可能です。コンプライアンス対応、モデルリスク軽減に役立ちます。
従来の債務者を基本にした多階層集計機能とは別に、取引勘定ベースの多階層集計も同時計算可能にしました。これは信託銀行や生保・損保、あるいは合併行など、同一顧客に対して複数の勘定部門から与信があるケースへの対応です。OLAP (On-Line Analytical Processing) 技術により、どちらの集計区分でも階層間の上下関係をその場で変更可能です。
担保・回収概念を拡張し、担保管理システム的な機能を持たせました。各種の担保回収額変動方式を、有価証券担保や不動産担保に分けて取引件別毎に複数入力できます。また、最大6つの保証人を取引件別毎に設定可能です。当然ながらこれら債務者・保証人・連動先マクロ指標間で相互依存する信用リスク計算は、取引件別毎のモンテカルロシミュレーションで行われます。
外部キャッシュフロー入力、およびショートポジションに対応しました。プロテクトの買いなどのクレジットデリバティブや、資産流動化に向けた対応です。従来と同じく、データの入出力インターフェースとして汎用のテキストファイルの利用が可能です。
一部機能のみ利用する計算オプションを追加しました。これはユーザー数増加に伴って CreditBrowser® の機能がますます豊富となったため、限定的な計算結果しか利用しないユーザーに対して冗長部分を省略し、計算時間と必要システム容量を削減するオプションを提供したものです。また、含み損益や期間損益の認識、乱数生成方式などの各種設定を細部まで細かく設定可能とし、各金融機関の業務実態の差を吸収しました。このほか、格付け方式種類の上限(従来は最大4つ)をなくすなど、システム要件を緩和しました。