2009年2月9日 – 東京 – 近年のサーバー性能の向上は著しいものがあります。 昨今のIntel社のXeon CPUには、1プロセッサあたり複数コア(2/4/6)あるものが一般的になっており、PCサーバー1台あたりでも8コア/16コア/24コアを搭載するものが納品されるようになりました。
本報告では、現時点で最も高速なCPUのうちの一つである Xeon X7460 2.66GHz(Dunnington-hexa) を1台に4CPU搭載したマシンを試用する機会を得たので、最新サーバーによる性能向上の可能性について報告します。また本構成には、比較的安価で高速なRAIDコントローラ(P800)を通してスマートアレイストレージシステム(MSA70)が接続されており、ディスクへのI/O処理性能も高い構成となっています。

性能向上

当社内のサーバーにて 約4時間30分 要した計算が、本構成では 約1時間 で計算を終えることができました。比較対象となる当社内サーバーも1年ほど前に購入したものであり、CPU性能自体は悪いものではありませんが、I/O性能は若干劣るものになっています。 このような構成の場合には、計算のフェーズによっては、CPU性能を使い切ることができず、全体の計算時間にCPU性能の差以上の計算時間差が発生します。

計測環境

本計算に用いた当社製品は PortofolioBrowser® (version1.8.0) です。 モンテカルロシミュレーションの回数を1万回とし、市場リスクの計算を行いました。

ベンチマーク実施サーバー

HP ProLiant DL580G5

  • Xeon X7460 2.67GHz 6core(Dunnington-hexa)x4CPUs (total:24core)
  • 128GB Memory
  • 146GB(10k SAS HDD)x2(RAID1)
  • Windows Server 2003 R2 Enterprise SP2 (x64)
  • SmartアレイP800
  • HP MSA70/146GB(10k SAS HDD)x25(RAID10)

比較対象サーバー

HP xw8600

  • Xeon X5460 3.16GHz 4core(Harpertown)x2CPUs (total:8core)
  • 16GB Memory
  • 240GB(7.2k SATA HDD)x3(RAIDなし)
  • Windows Server 2008 Standard (x64)

ベンチマークの必要性

最新のサーバー構成において、当社のアプリケーションの性能も飛躍的に向上する可能性があることを示しました。最近のサーバーの性能向上には著しいものがありますが、一般的にはその性能を完全に引き出すことは容易ではありません。 本マシンにもCPUコアが24コア搭載されておりますが、それらを十分使い切るには十分な考察に基づいたプログラミングが必要とされます。
当社アプリケーションでは従来より高性能なサーバーへの対応を念頭において設計/開発されてきたため、このような性能向上が達成できたと言えます。 また計算に使用するマシンは、CPU性能がよいだけでは全体としての性能を発揮することはできません。 採用するストレージシステムがバランスよく確保されていることにより、高い性能をより発揮することが可能となります。
勿論、今回のような性能向上に関しては、計算に用いるデータや諸条件によっても異なります。 従いまして、新規サーバーの導入や既存サーバーの更新を検討されているお客様には、今回のようなベンチマークテストを行うことを強くお勧めしております。

NumTech
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